eSIMとは?eSIMのメリット・デメリットと他のSIMカードとの違いを解説

更新日:2024.07.01

eSIMとは?eSIMのメリット・デメリットと他のSIMカードとの違いを解説

eSIMとは?eSIMのメリット・デメリットと他のSIMカードとの違いを解説

スマホを契約した際、回線を利用するには端末に挿すSIM(シム)カードのご契約が必要です。SIMカードとは、契約者情報などを記録したチップのついた、小型のICカードのことを指します。従来は、このSIMカードがスマホの利用に必須でしたが、最近は「eSIM(イーシム)」を搭載した機種が増えつつあります。本ページでは、eSIMの特徴や既存のSIMカードとの違いを解説します。

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eSIMとは?

eSIMとは「Embedded SIM(埋め込み式のSIMという意味)」の略称で、スマホに内蔵されているSIMのことです。従来のSIMはカード式で、端末本体のスロットに差し込むことで回線に接続できるのに対して、eSIMは抜き差しする必要がありません。これまでのSIMカードと形状の違いはありますが、機能に違いはありません。

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eSIMの特徴とメリット・デメリットとは

eSIMには、従来のSIMカードと仕様が異なるため、いくつか制約があります。ここでは、eSIMの特徴とメリット・デメリットについて解説します。

eSIMの特徴

eSIMは、スマホ本体に小型チップが埋め込まれた内蔵型SIMで、抜き差しする必要がありません。工場出荷時点で、端末に情報が書き込まれていないSIMカードが埋め込まれており、プロバイダとの契約時に契約者情報を書き込む仕様となっています。

eSIMは携帯電話以外に、パソコンやスマートウォッチに埋め込まれているケースがあります。総務省がeSIM普及を推進しているので、今後の広がりが見込まれます。

eSIMのメリット

eSIMのメリット、オンラインのみで契約から利用開始までが一本化、SIMカードの差し替えによる故障リスクがない、デュアルSIMがりようできる、オンライン手続きで海外でもそのまま使える

eSIM搭載機種では、オンラインのみで契約から回線利用開始までの手続きが完了します。
eSIMのメリットについてさらに詳しく見ていきましょう。

契約から利用開始までオンラインのみで手続きが完了

eSIM搭載機種では、端末本体にSIMが内蔵されているため、スマホの機種変更・乗り換えなどの手続きを全て契約者本人だけで済ませられます。

店舗に手続きに行ったり、新しいSIMカードの到着を待ったりしなくても、端末が手元に届いたその日のうちにスマホが利用できます。

SIMカードの差し替えによる故障や紛失のリスクがない

eSIMは端末に内蔵されているため、差し替えの手間がなく、スロットやSIMカードの破損、紛失のリスクもありません。

従来のSIMカードの場合、差し替える際にスロットの端子部分が反応しにくくなったり、カードが破損してしまったりすることがありました。またSIMカードはとても小さく、紛失も心配されました。eSIMの場合、こういったリスクがないのは大きなメリットといえます。

デュアルSIMが利用できる

eSIMが内蔵されている端末は、eSIMとは別にSIMカードを差し込むスロットが搭載されています。スロットに別のSIMカードを差し込むことで、デュアルSIMとして利用できます。

デュアルSIMとは、1台のスマホで2枚のSIMカードを使い分けることができる機能です。つまり、1台のスマホで2つの回線・電話番号が利用でき、仕事とプライベートの使い分けなどに便利です。デュアルSIM機能を使うには、回線(SIM)契約が2つ必要になります。

ちなみに、デュアルSIM機能を使う場合、SIMロックが解除されている端末、あるいはSIMフリーの端末が必須です。SIMロックが解除されていない端末の場合、2回線とも同じプロバイダの回線しか利用できません。別キャリアのSIMカードを使用したい場合はSIMロック解除が必要です。

オンライン手続きで海外でもそのまま使える

eSIM対応機種があれば、海外でスマホを使う場合でもSIMカードを現地で用意する必要がありません。回線契約を現地で行い、契約者情報のプロファイルを書き換えるだけで、現地でもスマホが使えるようになります。手に入れたSIMカードの紛失や破損の心配もなく、海外旅行時の荷物が増えることもありません。

端末は国内で使用していたものをそのまま持ち出して使えるので、レンタルする手間が省けます。

eSIMのデメリット

eSIMのデメリット、初期設定にWi-FiやQRコードが必要になる、プロファイル削除時は再発行手続きが必要、eSIM対応機種が少ない

eSIMは端末本体に埋め込まれているので、従来のSIMカードとは取り扱いが異なります。ここでは、eSIMのデメリットについて解説します。

初期設定にWi-FiやQRコードが必要になる

eSIMは初期状態では端末と利用者の情報が書き込まれておらず、自分で書き込まなければなりません。その際、eSIMプロファイルをダウンロードするためにWi-Fi環境が必要です。

また通信業者によっては、eSIMを書き込むために、利用端末以外にQRコード*を映し出すデバイスが必要になることがあるのもデメリットといえます。

*QRコードはデンソーウェーブの登録商標です。

プロファイル削除時は再発行手続きが必要

eSIMにとって、プロファイルは一般的なSIMカードと同じ扱いです。そのため、一度プロファイルを削除し、再度ダウンロードする場合は、プロバイダへの再発行手続きが必要です。再発行の際には、基本的に発行手数料が発生します。

プロファイルの再発行手数料は、格安スマホだと無料や数百円程度と安価で済むケースが多いようです。しかし大手キャリアの場合、一般的なSIMカード同様に3,000円程度かかります。

SIMカードと違って紛失や破損の恐れはありませんが、誤ってプロファイルを削除しないように、設定の操作は十分注意しておきましょう。

eSIM対応機種が少ない

eSIMは登場から日が浅いため、対応機種の数がまだ少ないといえます。国内初のeSIMサービスはIIJmioが2019年7月18日に開始、大手キャリアではソフトバンクが2021年7月14日に提供開始したのを皮切りに広まりました。

iPhoneでは、XR/XS以降の端末は全てeSIMに対応していますが、Androidはメーカーごとに非対応の製品があります。AQUOSなどのシリーズ製品の中にも、対応と非対応の機種が混在しているので、購入する際はeSIMに対応しているか確認しましょう。

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eSIMとデュアルSIM、SIMカードの違いを解説

eSIMとデュアルSIM、SIMカードの違いを解説

SIMカードの種類の違いは、形状の他に機能的な違いがあります。ここで、混乱しやすい3つの語句を整理しておきましょう。

SIMカードは、従来の着脱可能なSIMカード。eSIMは、端末に内蔵されたSIMのことで、取り出せませんがSIMカードと機能と役割は同じです。デュアルSIMはSIMカードを2枚使える機能の総称であり、機種が対応していればeSIM+eSIMやSIMカード+SIMカードの組み合わせも可能です。

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世界のeSIM活用事例

次に世界のeSIM活用事例を見てみましょう。現在、情報の一括管理やIoTデバイスの遠隔操作などにeSIMが用いられています。さまざまな国との貿易や、遠く離れた場所での作業など、医療・農業・産業のあらゆる分野でeSIMが役立っています。

例えば医療の分野では、遠隔地での診療が行われています。病気を理由に外出できず、病院に行けない人でも、診察や検診などの健康管理が可能です。eSIMによって、検査データの管理や共有化が簡易化されるため、医療の研究や発展に役立てることもできるでしょう。

またeSIMを用いた遠隔操作によって、監視・追跡・管理を行うことが可能です。貿易においては、輸出品の管理だけでなく、携帯電話や自動車の所有者変更などに実用化されています。

このようにeSIMによってネットワークを構築することで、各分野の人材不足や大幅なコスト削減を実現させているのです。eSIMは小型のICカードであるため、端末の小型化による節電効果も見込めます。今後は5Gとの併用によって、IoTを中心とした広範囲での活用が期待されています。

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eSIMの使い方と対応機種

ここでは、eSIMの使い方と対応機種について解説します。設定が間違っている場合や、非対応の機種では利用できないので要注意です。

eSIMの使い方

eSIMの使い方は、iPhoneとAndroidで設定方法が違います。OSごとに手順が異なるので、使用しているスマホに合わせた設定を参考にしてください。

iPhoneでのeSIM設定方法

1. iPhoneの電源を入れる

2. 画面の案内に沿ってeSIMプロファイルをインストールする

操作手順でQRコードを読み取る箇所があります。読み取れない場合はプロバイダから発行された「アクティベーションコード」を手入力します。Wi-Fiにつなぎ、eSIMに書き込んだネットワークに接続できれば設定完了です。

AndroidでのeSIM設定方法

1. ホーム画面の「設定」をタップする

2. 「〇〇とネットワーク」をタップする

3. 「SIMをダウンロード」を選びQRコードを読み取る

4. 画面の案内に沿ってeSIMプロファイルをインストール

5. 「設定」の「モバイルネットワーク」をタップ

6. 「アクセスポイント名」の「APN」から回線情報を確認する

QRコードが読み取れない場合、プロバイダが発行した「アクティベーションコード」を手入力します。プロファイルは、初期状態で何も情報が書き込まれていないeSIMを使うための必要なデータです。QRコードからプロファイルのダウンロードをするには、Wi-Fiなどのネット環境を準備する必要があります。Wi-Fi環境がないと、eSIMへの書き込みができません。

eSIM対応機種

2024年7月時点でのeSIM対応機種をご紹介します。

iPhone

  • ・iPhone 15シリーズ
  • ・iPhone 14シリーズ
  • ・iPhone 13シリーズ
  • ・iPhone 12シリーズ
  • ・iPhone 11 シリーズ
  • ・iPhone SE 第2世代以降
  • ・iPhone XS シリーズ
  • ・iPhone XR シリーズ

iPhoneは2018年9月21日に発売されたiPhone XS以降、全ての機種がeSIM対応機種です。今後発売される端末もeSIMに対応予定です。iPhone XS以前の機種は全てeSIM非対応機種なので、中古品を購入する場合は注意してください。

Android

  • ・Google Pixelシリーズ(Pixel 4以降)
  • ・Samsung Galaxyシリーズ(2022年秋冬モデルまたはS23以降)
  • ・AQUOSシリーズ(一部非対応あり)
  • ・Xperiaシリーズ(Ⅳ以降)
  • ・OPPO Reno(一部非対応あり)

Androidは機種数に比べ、eSIM対応機種が少ないです。人気のシリーズであっても、古い機種はeSIM対応であったのに、新しい機種は対応していないケースも少なくありません。

また、取り扱い店舗によって仕様が異なる製品が存在します。Android端末を購入する際には、eSIM対応機種であるかしっかり確認しましょう。

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QTモバイルのeSIM対応機種情報

ここでは、QTモバイル公式で販売されているeSIM対応機種をご紹介します。

※2024年現在、QTモバイル回線はeSIM非対応です。QTモバイルで購入したeSIM対応機種を利用する場合、他社回線を使用する必要があります。

iPhone

eSIM対応のiPhoneは以下のとおりです。

  • ・iPhone 15 128/256GB
  • ・iPhone 14 128GB
  • ・iPhone SE(第3世代)64/128GB
  • ・iPhone XS 64GB

ファンの多いiPhone SEや、eSIMがスタンダードとなったiPhone XS、最新のiPhone 15まで人気の機種が購入可能です。

iPhone 15

iPhone 15は、ディスプレイ上部に「Dynamic Island」を採用し、表示領域が広がりました。シリーズ初のUSB Type-C充電が可能に。メインカメラは約4,800万画素+1,200万画素のデュアルレンズを搭載し、誰でも美しい写真が撮影可能です。IP68等級の防水・防塵性能で、日常生活やレジャーでも安心して使用できます。背面ガラスはマット仕上げで魅力的なデザインになっています。

iPhone 14

最新機種のiPhone 14はストレージが128GBと大容量となっています。メインカメラの画素数が4,800万画素と大幅に向上し、インカメラはピントずれの心配がないオートフォーカス搭載でカメラ機能がさらにハイスペックになりました。広角カメラには大型イメージセンサーが実装され、より多く光を取り込むことが可能です。自撮りやインスタグラムなど、カメラの性能にこだわる人におすすめです。

iPhone SE

iPhone SE(第3世代)は64GBと128GBの2種類を取り扱っています。中古市場で品薄状態が続いている人気機種で、コンパクトサイズでホームボタン搭載のクラシックスタイルが魅力です。第2世代とデザインは同じですが、iOS16と5Gに対応、カメラ機能の向上など現在でも十分主力となる性能で、価格も手頃です。

iPhone XS

iPhone XSは、シリーズ初のeSIM内蔵となったモデルです。高画質のHDRの有機ELディスプレイを搭載し、省電力で鮮やかに画面を映します。スマホ本体はとてもコンパクトで、黒のベゼルが太いのが特徴です。本体はIP68等級の防水・防塵性能があり、見た目以上の高い耐久性を持ち合わせています。価格と性能のバランスが良く、初めてのiPhoneにおすすめの機種です。

Android

eSIM対応のAndroidは以下のとおりです。(一部)

  • ・motorola edge 40 neo
  • ・nubia Flip 5G
  • ・OPPO A79 5G
  • ・AQUOS sense8

Androidは価格帯が30,000円前後のものが多く、比較的手に入れやすい機種が多いのが特徴です。カスタマイズしやすいので、初めてのスマホにぴったりです。

motorola edge 40 neo

motorola edge 40 neoは、IP68の防塵防水性能を備え、どこでも安心して使用できます。5,000万画素カメラは、暗所でも明るく鮮明な写真が撮影可能です。また、6.55インチのpOLED画面は動画やゲームを快適に楽しめます。さらに、多次元Dolby Atmos®対応の大型ステレオスピーカーで、低音部とボーカルがより鮮明に楽しめます。本体はエッジディスプレイを採用しており、なめらかな曲線を用いたデザインです。

nubia Flip 5G

nubia flip 5Gは、6.9インチのAMOLED大画面ディスプレーを搭載しながら、二つに折りたためるコンパクトさが特徴です。背面の1.43インチの丸型サブディスプレイにより、折りたたんだ状態で通知確認や電話の応答ができます。5,000万画素と200万画素のデュアルカメラ、そして1,600万画素のインカメラで、多様なシーンを高精細に撮影できます。ジェスチャーによるタイマー撮影機能で、セルフィーやグループ写真撮影も便利。さらに、おサイフケータイ®対応で、多彩な電子決済サービスもサポートしています。

OPPO A79 5G

OPPO A79 5Gは、5,000mAhの大容量バッテリーを搭載しています。おサイフケータイ対応で、電子決済や各種行政手続きもスマホ一つで完結。6.7インチの高精細ディスプレイは、日光下でも鮮明で、夜には目に優しい90Hz駆動。大画面なので、動画やビジネスシーンにおいても活躍してくれます。さらに、最大8GB相当までRAM拡張可能な4GBメモリが、スムーズな操作感を提供します。エレガントなミステリーブラックと軽やかな質感のグローグリーンの2色は、スリムボディが持ちやすいスマートフォンです。

AQUOS sense8

AQUOS sense8は、大容量5,000mAhバッテリーで約2日間の長時間使用が可能です。動画、ゲーム、音楽、SNSを1日約10時間楽しんでも余裕があります。6.1インチの画面にはIGZO OLEDディスプレイを採用し、最大180Hz可変駆動で滑らかな表示を実現。ブルーライトを抑える有機EL材料を用いており、目の負担も軽減します。写真や動画撮影時には、光学式と電子式の手ブレ補正機能でブレない写真を撮影でき、シャッターボタンの位置調整も可能で操作性が向上しています。

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まとめ

eSIMとは、スマホ本体に埋め込まれた小型のSIMを指します。オンラインによる情報管理やSIMカードの書き換えが可能なため、回線契約から利用開始までがスピーディーに行えます。また、eSIM対応機のスロットに従来のSIMカードを差し込むことで、1台で2つの回線を使用できるのもメリットです。eSIM対応機種はまだ数が少ないですが、国内では政府がeSIM普及を推進しており、私たちの生活に浸透していくことでしょう。

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執筆者プロフィール
氏名:伊藤 敦規
2016年5月よりWebライターとして、光回線、Wi-Fiを中心とした通信系インターネット記事を執筆。電気通信事業者などの企業からの依頼を経験し、現在はIoTやガジェット記事も手がける。

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